郊外の住宅地に計画された1000万円台の住宅である。
　敷地の東側に面する道路を挟んで指定緑地が広がる景観を活かし、2階レベルに大型のデッキを設けた。このデッキを介して同じく2階に配置されたリビングルームに緑の風景と朝日取り込む。
　デッキ下は2～3台パーキングスペースとして活用、更に玄関と連続した土間にバイクとカートを収容する。工具類を収容する壁面収納を備え、エアコンまで用意された土間は、玄関というよりはひとつの趣味の部屋とも言える。
　当初施主からの要望にデッキ自体はなかった上、コスト的にも実現できるかどうか不安ではあったが、パーキングスペース上部を有効に使い、せっかくの緑地も取り込まない手はないと思い提案した。リビングは14帖ほどで面積的には決して広くないのだが、このデッキを設けたことで気候の良いときにはリビングの延長として視覚的・体感的にゆとりを感じることができる。これだけの緑を普段の暮らしの中に取り入れることができる贅沢をぜひ愉しんで欲しいと思う。