藤が丘の家・A邸

藤が丘の家・A邸

計画地は郊外とはいえ密集した住宅地の一角でその敷地面積は 84.96m2(約25坪)と狭小地の部類に入る。古屋が建つこの敷地を入手して計画がスタートした。南側に隣家が隣接しているため古屋の1階は薄暗く、ジメっとしていた。

陽当たりが悪い場合の常套手段として2階にリビングを配置することが多い。しかしこの計画では「東側に山林」があり「自宅で仕事と育児と家事を両立する奥さん」、「多くの友人が気軽に出入りする」といった諸条件から1階にLDKと仕事場を配置、2階にプライベートな寝室と水回り、更に3階レベルにロフトを設けた。

限られたスペースを有効に使うためリビングスペースは座の空間とし、アイランドキッチンを中心としたコミニュケーションの場として提案した。
床座で座る人、キッチンに立つ人、カウンターの椅子に座る人、それぞれの目線の高さが近づくことでコミニュケーションの取りやすさに配慮する目的で、それぞれの場所の床レベルには3段階の高さの変化をつけている。 山林側を全開口とし、トップライトやハイサイドライトを設けて暗さや狭さを感じさせないことを目指した。まるで自分の庭のような隣地の山林を借景に、まるで別荘のような居心地を感じる空間が実現できたと思う。

竣工
2003年
所在地
神奈川横浜市
構造
木造
延床面積
67.48m2(20.41坪)
敷地面積
84.96m2(25.70坪)

photo by Yoichi Tanabe (※印NewHouse)