上大岡の長屋

上大岡の長屋

線路沿いにある高低差の激しい住宅地に計画した完全分離型の二世帯 住宅。建築基準法上の用途は長屋となる。

東側と西側の2方向に接道があるため、ある程度の距離感の確保と将 来の賃貸スペースへの転用なども考えて、アプローチから別にした完 全分離型の二世帯住宅を提案。勝手口を兼ねた通用口によってお互い の行き来をしやすくもしてある。

1階は親世帯。レベル差を少なくし、LDKとつながる庭と廊下を兼ね たギャラリーを持つ。2階はわんぱく盛りの子どもがいる子世帯。庭 代わりの広いデッキを持ち、高台のメリットを活かした眺望を得る。

2階デッキには階下にある親世帯リビングに光を落とすトップライト を設けた。これは夜になると、逆に1階の親世帯リビングのあかりが もれて、2階デッキのガーデンライトとなる。 このあかりが消えれば、就寝の合図。子ども達に「おじいちゃんもお ばあちゃんも寝たから静かにしようね」と下階への配慮を促すことが できる。

このように住み手側の「気づき」によって、木造ではどうしても不足 しがちな重量音に対する防音性能を、ソフトウエア面で補うことがで きるようにと考えた。

竣工
2012年09月
所在地
神奈川県横浜市港南区
構造
木造 2階建て+ B1階既存 RC車庫
延床面積
222.96m²(67.45坪)
敷地面積
291.83m²(88.28坪)

photo by GEN INOUE