伊勢原の家

伊勢原の家

計画地は伊勢原市の国道 246 号線と駅前に通ずる県道との交差点から少し入った住宅地。
住宅地とはいえ、 交通量の激しい場所からも程近く、都市計画的には近隣商業地域であり、準防火地域という環境にあり、10 mほどの距離には国道に面したガソリンスタンドが近接している。

ここに築 40 年ほどになる住宅で暮らしてきたクライアント家族、その家族構成の変化によって、二世帯住宅として新たに建替えを計画した。それぞれの要望や生活スタイ ルから、1 階を親世帯、2 階を子世帯と階 によってゾーンを分離して計画した。
次にお互いの世帯のプライバシー とのバランスを考慮しながらつながりとかたを検討し、共有部として吹き抜けのあるエントランスホールを介してコネクトさせることを提案した。この吹き抜けのあるエントランスホールを世帯間の中間領域として、互いの生活の気配を感じながらも、一定の距離感を保ち、かつそれぞれの世帯への行き来きや声かけもしやすいようにと考えた。

一方で、生活時間帯の違いや話し声などの生活音に 配慮した緩衝地帯としても機能する。 また、完全二世帯分離型に比較して、一部を共有することにより税制や法規制の面でも有利に働き、コストダウンにもつながった。

建具や構造的な耐力壁ではない間仕切り機能だけの雑壁で主要室を間仕切ることで、将来の生活の変化に対応するし、柔軟に間取を作り変えることができる。また、各自の趣味のための個室や書斎を設えながらも、世帯間で共通の趣味であるゴ ルフの道具は持ち出しやすいよう共用部のシューズ クローゼットに収納するなどの工夫をしている。親世帯の庭でパターゴルフに興じることも可能だ。

外構については親世帯には専用の庭や子世帯にも庭がわりとなるデッキスペースを設けた。また地域柄、駐車台数が多く、また、車好きでもあるので 3 台 +αがゆったりと駐車ができる計画とした。宅盤のレベルは道路面から一段高く、この駐車スペース車越しに近隣の庭の眺めを借景する。

竣工
2018年11月
所在地
神奈川県伊勢原市
構造
木造 2階建て
延床面積
151.12 m²(45.71 坪)
敷地面積
231.37m²(69.99坪)

photo by K-est works